・歯科大学における歯科医師の教育
 近代歯科医学を支えるBuonocore, Bowen, Nakabayashi

ブラジルの歯科大学で「何故むし歯を治せないか」を講演するために、5大学で講演を行った。理由はブラジルの若い人がIADRなどの国際学会で中林と一緒に写真を撮りたがるのが、異様で不思議で理解できなかったためである。この理由を理解したくてブラジルにやってきたが、ブラジルの歯科界が中林に対して異常なほど愛着を持ってくれているのでここで取り上げることにした。

少なくともブラジルではこのタイトルの3人の業績を理解しなくては歯科医師のライセンスをもらえないそうである(国家試験に合格できない)。そのために、大学の先生方も勉強して講義をしなくてはならないのだと教えてくれた。一緒に写真を撮ることも、授業のときに学生に見せて理解させる助けに使うのだそうである。「中林が斬る」で、自分に関係する事柄を取り上げることに多少気が引けるし、自己宣伝と誤解されても困るが、教育の重要性をブラジルの大学人と議論して、日本の教育に欠けている部分であると感じたので紹介する。

 ブラジルの歯科大学では、近代歯科医学に貢献した人としてタイトルにある3人について時間を割いて講義をするそうである。日本でも前の2人は講義に登場する人物なのであろう。Nakabayashiはどこか別の世界の人で、日本の大学では登場したという話は聞かない。大学は学問を教育して社会に巣立った後、社会人としてそれぞれの分野で貢献するために必要な知識と活用法を教えるのが目的である。中林は歯科医でないので歯科医師教育に必要な3人とするのが妥当かは、皆さんに判断をお任せする。

 授業で講義するとき、その内容はどんな人の考えや研究によって生まれてきたか、オリジナリティを教えることが大切である。即ち業績の評価を正しく教えることを通して、将来学生達が自分や周りの人たちの業績を正しく評価できるようになるのである。自分の住んでいる限られた社会だけの問題ではないのである。日本は日本語で守られているためか、大学の教科書でも日本人の著書を講義に使っている。その内容はその著者の業績であれば問題ないが、どこかにある著書の日本語訳である可能性を最近耳にするようになった。国際化の波が押し寄せているからであろう。日本語の教科書(内容)が著作権に触れていないか誰も問題にしていない。これが、日本の若い歯科医ですらNakabayashiを知らない歯科医が多いのには驚かされるという外国の歯科大学教授達の中林に対するコメントである。私も外国を旅してもっともっと日本のことを学ぶ必要性を感じている一人である。日本人として、トヨタ、ホンダが年間何台の自動車を作っているか、聞かれても即答できない。