・睡眠時無呼吸症候群

 寝ているときに、繰り返し呼吸がとまってしまう病気で、新幹線などの居眠り運転で広く知られるようになりました。主な症状は睡眠時のいびきと呼吸の停止で、熟睡できないために日中に眠気が生じ居眠りしてしまうことが多いのが特徴です。

 睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に10秒以上の呼吸停止が、一晩7時間睡眠で30回以上、あるいは1時間あたり5回以上起こるものをいいます。日本人では中壮年の3−4%以上がかかっているといわれ、日中の眠気や生活(QOL)の低下、作業事故、交通事故の増加のみならず、高血圧や心臓病、脳血管障害を悪化させます。
 睡眠時無呼吸症候群には、閉塞型、中枢型、混合型がありますが、このうち圧倒的に多いのが口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋(上あご)の後方または舌根部(舌のねもと)の後方、すなわち上気道で閉塞がおきる閉塞型です。肥満や高齢による筋力の低下、口蓋扁桃肥大、鼻の病気、下顎の後退などいくつかの原因が単独もしくは複合で関与しているといわれています。

 診断方法は、睡眠検査施設で脳波、いびきセンサー、口鼻気流測定、診断図、筋電図などが複合された検査機器を使う夜間睡眠ポリグラフが一般的です。
 治療法としては、減量、鼻マスクから気道に空気を送り込んで閉塞した上気道を開く経鼻的持続気道陽圧(CPAP)療法、閉塞がおきる部分の耳鼻咽喉科の外科手術などがありますが、最近注目されてきているのが口腔内装置(図)です。これは夜間に口腔内に装着するもので、下のあごを前方に保持し上気道の閉塞を改善させる効果があります。CPAP療法や耳鼻科的な手術の適応とはなりにくいケースにむいており、上記の睡眠ポリグラフ検査を受け適応と判断されれば2004年4月から健康保険もきくようになりました。顎関節に異常がある人には不向きですが、他の治療法に比べ簡易で患者さんの負担も少ないメリットがあります。まだ内科や耳鼻科と歯科の連携が十分でないのが現状ですが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんにとって適切な治療がうけられる環境が整備されることが期待されます。(図はいずれも「歯医者さんで治す!いびき・無呼吸ネット」より引用)