・肩こりと噛み合わせの関係

質問:
肩こりとかみ合わせは関係があるのでしょうか?
答え:
あるような、ないような話です。肩こりの原因がすべてかみ合わせによるのではないことはもちろんですし、かみ合わせの不具合が間接的に肩こりをもたらしていることがあるからです。 

かみ合わせの不具合で一番多いのが、むし歯や歯周病の治療で行った詰め物や被せ物、あるいは義歯が原因となることです。誤解しないように申し上げますが、歯科医院での治療が悪くてそうなったというのではなく、むしろそこまで放置しておいたあなた自身が最も悪いのです。しかし、結果的には歯科治療で正常なかみ合わせがうまく回復できず、顎の関節が自由に動かなくなり、口が開かない、顎の痛み、めまい、耳鳴り、肩こりなどの症状が現れることがあります。

例えば、奥歯の1本がむし歯になってボロボロになったと思ってください。多くの場合、何もしないと隣の歯が寄ってきたり、かみ合わせている歯が伸びてきたりします。
そうすると、今まで上下の歯がそれなりに調和してうまくかみ合わせていたのに、あちこちの歯が動いてしまうと、それがおぼつかなくなります。こうなると、下の顎を動かしている筋肉に異常を起こし、それはさらには顎の関節にまで影響が出てきます。
顎の関節が自由にならなければ口が開かなくなることもありますし、無理に動かすことによってさらに筋肉に炎症を起こし、その部分は触ると痛みを生じます。ここまで来てしまえば、後は先程述べためまい、肩こりなどの不定愁訴の類は出ても当然です。1本の歯でさえ、こうなるのですからたくさんの歯が悪くなり、その歯に詰め物や、被せ物をしたり、抜いて義歯を製作した場合などは問題が起こる危険性は高くなります。もちろん、現代人は軟らかいものばかり食べるので、顎が小さくなって歯がうまく並びきれないために、むし歯がなくても歯並び、すなわちかみ合わせが悪い人がいます。こういう人は顎関節症にもなりやすいですし、ひいては肩こりにもなりやすいといえるかもしれません。矯正歯科は何も歯並びをよくして美しくなろうというだけでなく、かみ合わせをよくして、一連の病気を防ぐ意味があります。
かみ合わせが悪いと肩こりになる。これって、風が吹くと桶屋が儲かるような話ですね。

(安田 登)