■歯周病はサイレント・ディジーズ
歯周病と喫煙 


喫煙は肺がんの代表的な原因の一つですが、他にも心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気も引き起こします。もちろん最初に煙が身体に入ってくる口の中が喫煙の影響を受けないわけはありません。歯周病や口腔がんの主要な危険因子になっているのです。特に歯周病と喫煙との関係については数多くの研究が行われ、現在では喫煙が歯周病の最大の危険因子と言われるようになりました。
喫煙によって歯肉の免疫力は低下し、血管も縮んでしまうため血流が悪くなり、歯周病に対する抵抗力が落ちてしまうとともに、骨の吸収が促進され、治療を行っても効果が上がらなくなってしまうのです。また、食事をすると口の中は酸性に傾きますが、唾液の緩衝能力によって中性に戻ります。喫煙はこの唾液の緩衝能力も下げてしまうのです。その結果虫歯に対する抵抗力も落ちてしまうことになります。
 1日に吸うタバコの本数が増えていけば、歯周病の危険性は上がります。1日に10本未満であれば非喫煙者の2.8倍、20本(1箱)であれば4.7倍、30本以上だと5.9倍にもなります。そして喫煙は自分だけでなく、煙の届く範囲にいる他人の身体にも影響を与え、いわゆる受動喫煙であってもその危険性は3倍になります。
 喫煙は身体に対する影響だけではなく、その依存性も問題になります。若いときに為害性を意識しないで何となく喫煙を始めてしまうと、次第に本数も増え容易に禁煙することができなくなってしまいます。平成18年4月から「禁煙指導」が「禁煙治療」と位置づけられ、保険診療で行えるようになりました。これに対しては賛否両論ありますが、禁煙によって医療費の抑制が可能になると厚生労働省が判断したわけです。お酒は「百薬の長」と言われ、適度な量であれば身体に良い影響を与えてくれますが、喫煙はたとえ1本でも悪影響を及ぼします。お口のため、身体のため、禁煙をされてはいかがでしょうか。