■歯周病はサイレント・ディジーズ
歯肉から血が出るわけ ・・・兆候に気づき、早めに予防を

むし歯でもないのに歯がしみる、歯と歯の間にいつも物がはさまるようになった、疲れたとき歯肉がぶくっと腫れる、歯が動きだして硬いものが咬みにくい・・・いずれも中等度以上の歯周病の自覚症状です。
このぐらいになれば、歯肉になんらかのトラブルが起きていると感じ、歯科医師へ相談に行かれると思います。ところが、こうなるずっと前から、歯ブラシをあてると歯肉から血がでたり、歯肉にむずかゆい感じがしたり、よく見ると歯のはえぎわの歯肉が赤紫色になっていたり・・・こんな症状があったはずです。冒頭のような症状が出始めて歯科医院に駆け込むときは、もうすでに症状がかなり進んでいて、治療も予防も難しくなっているケースが多いのです。初期の兆候に気づき、重症化する前にはやめに手をうつことが大切です。

歯周病の自覚症状でいちばんわかりやすいのは、歯肉からの出血です。歯をみがいたときに歯肉から血がでるのは、歯ブラシで強くこすり傷つけてしまったせいとか、歯肉が弱っているせいだと思われている方が多いのですが、実際はそうではありません。
細菌の塊である歯垢が歯と歯肉の境目につくと、その細菌から自分の体を守るために白血球中にある顆粒球やマクロファージといった細胞が毛細血管をともなって集まってきます。歯肉が赤紫色にみえるのは、そこに多くの毛細血管が集まってきているせいです。

これらの毛細血管は神経をともなっておらず細くてもろいため、歯ブラシ等の刺激で簡単にやぶれて痛くもないのに血がでるのです。やがて、この防御反応が進行し、リンパ球などによる免疫の反応がおきはじめると、自らの歯肉の繊維を壊す物質や骨を溶かす細胞の活性が高まり、歯を支える組織が徐々に破壊されていくのです。

このように、ブラッシングをすると歯肉から血が出るということは、うらをかえすとそこで細菌と体を守る細胞が戦っていますよ、つまり細菌の塊である歯垢が取り残されていますよというサインなのです。わざと血だらけにさせる必要はありませんが、出血する部分は特に注意深くプラークを丁寧にとる必要があるのです。
歯周病になるのは、あなたの不注意も大きな原因であることが分かりましたか。かかりつけ歯科医の指導を受けて、効果的なプラークコントロール方法を学びましょう。