・役員のプロフィール
木下 亨 (きのしたとおる)
1958年  長野県出身
1984年  日本歯科大学歯学部卒業
1984年  東京医科歯科大学歯学部 第一補綴学教室 入局
1986年  同 大学院歯学研究科入学 機能性高分子専攻(主任教授・中林宣男)
1980年  同 大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1990年  日立製作所ソフトウェア開発本部 健康管理センタ勤務
1993年  杉並区にて木下歯科医院開業

「コンポジットレジンを研削歯質に接着させる新しい歯質反応性ポリマー」
(本研究は、モノマーを直接歯質面に接触させない、新しい安全を高めた接着機構を活用した歯質への接着方法に関する研究である。すなわち歯質構成成分であるハイドロキシアパタイトと反応して歯質表面に固着するポリマーを合成し、これを活用してコンポジットレジンを歯質に接着充填させることを目的とした。具体的には歯質反応性を考慮したスルホン酸基とレジンとの親和性を考慮したメタクリル酸メチル部分を持つ共重合体(MS共重合体)を合成し、この共重合体水溶液を研削歯質に塗布乾燥して、その上にコンポジットレジンを接着充填させた後、充填物の接着性能を評価した。)

日本歯科医師会会員
杉並区学校歯科医会理事

中林・安田両先生がNPOを立ち上げる話はかねてより聞いておりましたが、このたび理事を引き受けることになりまして正直不安でいっぱいです。

中林先生は大学におられた頃から終始一貫して「再生できない歯を削るな」ということを主張されてきました。これに反し歯科界では長い間、「歯の欠損部には何を入れる」かというような、歯(組織)よりも修復物(人工物)に重きを置いた技術偏重の教育がなされてきたのです。

また我々歯科医も技術や歯科材料の進歩が歯科医療の進歩を支えるものと信じて疑わなかったのも事実であります。しかし新しい材料は続々と登場するものの、一向に患者さんたちに満足していただける臨床成績は得られないことに疑問を感じ始めた先生方もいらしたのではないでしょうか?このことは「エナメル質に穴が開いた歯は治せない」という事実を知らしめたばかりでなく、これまで歯科医学が追い求めてきた方向の軌道修正をしなければならない時期が来たことを私たち歯科医師に示してくれたのです。

そこでこれからは歯科医師をはじめ歯科関係者は社会と手をつなぎ、「エナメル質に穴を開けない運動」をひろげ、不幸にしてエナメル質に穴が開いた歯には人工エナメル質を活用して齲蝕の拡大を防ぎ、歯を守ることが社会に貢献することであると考えるようになりました。

一人でも多くの歯科医師、その他歯科関係者にこの会の活動の趣旨にご賛同頂き、社会にこの活動の輪を拡げたいものだと切に希望致します。

木下が合成した歯質反応性ポリマー(MS共重合体)は、その後知覚過敏症の歯の知覚過敏消退に著効のあることが分かり、MSコートとして実用化されている。
MSコートは知覚過敏が歯髄炎により起っているか(抜髄処置を必要とする)、開放象牙細管を封鎖すれば(MSコートの適用症例)生活歯として処置できるかの判断をするために大切な材料になっており、不必要な抜髄を避ける(生活歯として保存)上で有効であり、歯科医師、患者双方にメリットをもたらす材料とされている。(中林記)