中林・安田両先生がNPOを立ち上げる話はかねてより聞いておりましたが、このたび理事を引き受けることになりまして正直不安でいっぱいです。
中林先生は大学におられた頃から終始一貫して「再生できない歯を削るな」ということを主張されてきました。これに反し歯科界では長い間、「歯の欠損部には何を入れる」かというような、歯(組織)よりも修復物(人工物)に重きを置いた技術偏重の教育がなされてきたのです。
また我々歯科医も技術や歯科材料の進歩が歯科医療の進歩を支えるものと信じて疑わなかったのも事実であります。しかし新しい材料は続々と登場するものの、一向に患者さんたちに満足していただける臨床成績は得られないことに疑問を感じ始めた先生方もいらしたのではないでしょうか?このことは「エナメル質に穴が開いた歯は治せない」という事実を知らしめたばかりでなく、これまで歯科医学が追い求めてきた方向の軌道修正をしなければならない時期が来たことを私たち歯科医師に示してくれたのです。
そこでこれからは歯科医師をはじめ歯科関係者は社会と手をつなぎ、「エナメル質に穴を開けない運動」をひろげ、不幸にしてエナメル質に穴が開いた歯には人工エナメル質を活用して齲蝕の拡大を防ぎ、歯を守ることが社会に貢献することであると考えるようになりました。
一人でも多くの歯科医師、その他歯科関係者にこの会の活動の趣旨にご賛同頂き、社会にこの活動の輪を拡げたいものだと切に希望致します。 |